NPO法人オレンジアクトは、認知症の早期対応・備える努力を啓発するボランティアによる団体です

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認知症を予防しよう

脳のリスクに備えよう

・脳の健康を保つために
高齢化の進む社会では、知的・身体的な活力を保つことは高い生活水準を手にするためにとても重要な事です。様々な病気のリスクを軽減する為の日々の対策は結果的に老いてゆく時に知的・身体的な活力を保つ為に有効な手段であり、オレンジアクトでは健康的な脳を保ち、元気な生活を送りながら老いて行く為の方法を紹介します。
脳の健康を保つために重要なコンセプトは以下の2つになります。

①リスクを把握すること
②リスクを管理すること
自分の健康上のリスクをきちんと把握し、医者に相談しながら適確なリスクの管理方法を実施することが健康的な脳を得る為に必要な事です。毎日リスク軽減のための方法を実施することで、知的に元気なまま老いて行く可能性を大幅に上昇させることができます。

・なぜ認知症になるのか?リスクを把握しよう
認知症になる原因となる病気は70種類以上存在
するといわれています。その中で最も有名な病気にアルツハイマー病があります。その他にも、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などが有名です。
しかしアルツハイマー病が全ての認知症の原因ではないため、アルツハイマー予防だけでは不十分です。脳の健康を保つためには、脳に悪影響を及ぼす様々な病気の原因である危険因子をきちんと把握することが重要になります。また、特定の危険因子を抱えているからといって、必ずしも認知障害を患うことになるとは限りません。あくまでもハイリスクであるといえます。

危険因子とはなんでしょう。例えばアルツハイマーの場合、老化が最大の危険因子になります。つまり、加齢に伴い、認知症のリスクは比例してあがっていくということです。具体的に、アルツハイマーを患っている人間の殆どは65歳以上であり、65歳を超えるとアルツハイマーを患う可能性は5年毎で倍になります。(65歳時点での発症率は2%~3%の間といわれますが、68歳までには50%までに上昇するといわれています)
もう一つの重要な危険因子は家族の健康歴になります。両親、兄弟、姉妹、子供の中でアルツハイマーを患った人間がいる場合、自身もアルツハイマーを患う可能性が高くなるという研究結果が出ており、遺伝的な関係性が示されています。
これらはどちらも回避することのできない危険因子といえます。
家族の健康歴や自身の年齢など、どうしても変えることのできない様な危険因子が存在するのは事実ですが自身で把握し、健康的な生活と適確なリスク軽減策をとることによって管理することのできる他の危険因子も多く存在します。
回避または自己管理が有効な危険因子は次の通りです。

『脳卒中』
脳卒中は脳血管性認知症を患うリスクを6倍~10倍上昇させます。すなわち、脳卒中を引き起こす危険因子を管理し、脳に血を循環させ、心血管の健康を保つことが非常に重要です。

『心血管疾患』
心臓弁膜症や虚血性心疾患、心房細動を含む心血管疾患は脳への血の循環を減少させます。つまり、心血管疾患を適切に管理しなければ、大小様々な脳卒中につながる可能性があるといえます。脳卒中と認知症の関係性を考えると、適切な食生活と運動は脳と心臓にとって非常に重要です。

『糖尿病』
糖尿病は脳卒中や心血管疾患、高血圧など脳血管性認知症を患う危険性を高める病気にかかるリスクを上昇させます。さらに、糖尿病はアルツハイマーを患うリスクを上昇させ、アルツハイマーを患っている人間の認知機能に悪影響を及ぼします。
このような要素を考えると、健康的な脳を保つ為には適切な診察と治療を通して糖尿病にかかるリスクを管理することが非常に重要といえます。

『高コレステロール』
高コレステロールはアルツハイマーで主に出現する蛋白である、アミロイドベータ蛋白の生産を増加させ、アルツハイマーを患うリスクを倍増させます。

『高血圧』
高血圧は脳血管性認知症の重大な危険因子です。そして脳血管性認知症は認知障害の原因の中でも二番目に多い病気になります。
医師と相談しながら、自身の血圧を 上120/下80以下に保つことが重要であるといわれています。

『頭部外傷』
アルツハイマーの遺伝的な要因を持つ人間の頭部の外傷や、気絶を伴うような強い頭部の外傷はアルツハイマーを患う危険性を10倍までに増大させます。気絶が伴っても伴わなくても、頭部の外傷は、脳卒中のリスクを高め、痴呆や認知障害のリスクを高める可能性があるため、必要な時にはヘルメットをかぶり、頭部の余分な衝撃から脳を守ることが重要です。

また、他にも以下のような生活習慣や加齢に伴う体質の変化などによる危険因子も示されています。

・肥満
・過度なエストロゲン(女性ホルモン)欠乏
・過度なテストステロン(男性ホルモン)欠乏
・特定のがん治療法(アルコールや物質乱用)
・過去や現在におけるタバコの定期的な利用
・不健康な食生活
・憂鬱/社会的な孤立
・知的・身体的なトレーニングの欠如

これらの危険因子は70種類ともいわれる認知症の原因となる病気を引き起こします。これらの危険因子を管理する事がすなわち脳を健康に保つことにつながるわけです。



認知症発症をできるだけ遅らせる生活

様々な介入による認知症の予防
「人に迷惑をかけてしまうから」「お父さんがボケ始めてきていて恥ずかしいから」
そのようなことから外出を禁止するようになり友達との会話や外出などの交流がなくなってしまうと、認知症はどんどん進行すると言われています。「閉じこもり」を防止し、食事や運動など生活習慣の見直しを行うことが最も有効な予防策になります。



認知症と糖尿病の関係

様々な介入による認知症の予防
近年、認知症と糖尿病の関連性について研究が進んでいます。糖尿病患者には、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)を原因とする脳血管性認知症の発症が多いと言われてきました。更に最近の研究では、糖尿病はアルツハイマー型認知症の発症に関与することもわかってきました。
米ワシントン大学公衆衛生大学院でも血糖値が高めの高齢者は、7年以内に認知症になるリスクが最大で18%上昇すると発表しております。
健康診断などで「血糖値が高め」と指摘された方は、認知症に対策するためにも、食事や運動などの生活習慣を見直す必要があると考えられております。



認知症(アルツハイマー型認知症)にまつわる生活習慣の最近の発表

週3回30分以上のウォーキングが有効
認知症予防の運動習慣としては、週3回30分以上のウォーキングが有効との報告が多いです。
「中年期から、少し汗をかく程度の運動を週2回以上、20~30分間行うことで高齢期のADリスクが1/3に低減した」とする報告が発表されています。
また、筑波大学体育系・筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻の田中喜代次教授は、「Larsonらは65歳以上の高齢者1740人を平均6.2年間にわたり追跡したところ、追跡開始時点で週3回以上の運動(1日15分以上のウオーキング、ハイキング、サイクリング、体操、水泳、アクアビクス、ストレッチなど)を行っていた群の認知症発症率は13.0/1000人・年であったのに対し、週3回未満の群は19.7/1000人・年であり、週3回以上の運動の習慣化によって認知症発症率が0.62倍にまで低下することを報告している。」と述べています。
30分が無理な方は、たとえ15分でもよいので運動を心掛けるということが大切なようですね。また、中等度の運動を一週間に3回(1回の運動時間は50分)実施することで認知機能が軽度に改善することをLautenschlagerが報告しています。
(アピタル(朝日新聞の医療サイト) より抜粋)

運動は肥満・糖尿病によるアルツハイマー病発症リスクを軽減するか
認知症・アルツハイマー病(AD)患者の増加は極めて重要な社会問題になっている。一方、認知症・AD と同じく、肥満者や生活習慣病患者の増加も極めて大きな問題となっている。実際、厚生労働省の平成19および20年の「国民健康・栄養調査」では、2型糖尿病が強く疑われるヒトと、糖尿病の可能性が否定できないヒトを合計すると約 2210 万人にものぼると報告されている。
認知症・AD もしくは肥満・生活習慣病に対する運動効果については多くの疫学的調査や実験 動物を用いた報告がある。
マウスを用いた研究では、AD と肥満・生活習慣病を組み合わせた場合に対する運動効果について検討を行い、SAMP8 マウス認知機能障害に対する高脂肪食摂取による大きな影響は観察されなかったため、今後、実験動物数を増やして更なる検討が必要であるが、少なくとも運動トレーニング(TR)はSAMP8マウスに高脂肪食摂取を組み合わせた場合でも認知機能障害とインスリン抵抗性の両方を同時に減弱させることが明らかになった。
したがって、TRは認知症・ADと肥満・生活習慣病の両方を同時に予防できる強力なツールになると予想される。今回観察されたTRの認知機能障害に対する予防効果には、海馬におけるBDNF増加やTau蛋白質のリン酸化亢進の減弱だけでなく、高脂肪食摂取による大脳皮質のSOD1蛋白質の発現低下を介した酸化ストレス増加を抑えることも重要な役割を果たしていることが示唆された。
(第 27 回健康医科学研究助成論文集 より抜粋)

アルツハイマー病発症と食事栄養因子
アルツハイマー病(AD)患者64例と対照80例の食事摂取栄養を比較検討した。
AD患者は偏食が強く、魚・野菜・キノコ・海藻の摂取が有意に少なかった。栄養素ではビタミンB群・ビタミンC・β-カロチン・カルシウム・鉄・リンなどの微量金属の摂取が有意に低くかった。脂質では魚に多いn-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)と肉に多いn-6系PUFAとの比(n-6/n-3比)が有意に高く、アポE-ε4保有例ではn-6/n-3比が低いほど発症年齢が遅かった。以上の結果はADの発症に食事栄養因子が関連していることを示し、n-3系PUFAはアラキドン酸カスケードの抑制による抗炎症作用や血管・血小板を介して作用を現わすと考えられる。ビタミンCやβ-カロチンなどの抗酸化物はフリーラジカル産生の抑制に関与すると推定される。さらには、ビタミンB_6・B_<12>・葉酸欠乏は高ホモシステイン血症を介してAD発症に関係すると考えられる。n-3系PUFAであるEPA製剤の投与はAD患者の認知機能を改善させたがその効果は3ヵ月程度の一時的なものであった。すなわち食事栄養因子は痴呆の一次予防としてはきわめて重要であるが、治療に応用するには限界がある。
(順天堂医学 47(1) <特集>アルツハイマー病医療の最前線 より抜粋)










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