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TOP認知症の実態 ~インタビュー~ > 番町診療所表参道 山田正文院長

番町診療所表参道の山田正文院長に認知症についてお話を伺いました。
番町診療所表参道は都内で初めて「もの忘れ外来」を始めたMRI設備を完備したクリニックです。


現在の認知症の実態についてお伺いさせてください。

認知症については年齢を重ねるごとに、意識する機会が増えてきますね。やはり自分自身の年齢的衰えとともに、両親や祖父母の変化を目の当たりにすると、それまであまり意識しなかった認知症のことを自分事として捉えるようになるからでしょう。私は現在55歳ですが、自分自身についても認知症のことが頭をよぎることはありますから。



もし家族が認知症と診断され、在宅介護になってしまったら僕の生活はどうなりますか?

認知症が進行すると、物忘れや判断力の低下、人柄が変わるといった症状が見られますので、少なくとも今まで通りの生活は成り立たなくなる可能性が高いでしょう。
昼夜逆転の生活、ゴミの捨て方なども含めて生活・地域に密着した部分でトラブルが起こることもあり得ます。
周囲に迷惑をかけるから、介護施設に入所させてしまえばよいのかと言えば、自分の家族ですから簡単に割り切れず悩まれるケースも多く見受けられます。

認知症以外に合併症や感染症など、どこまで受け入れられるかの判断によっては施設への入所が難しいということもありますから、家族の負担は経済的にも精神的にも大きなものとなります。



一般の方が日頃から実施可能な簡単にできる予防方法などはありますか?

これはとても大きな問題ですね。
突き詰めると何のために生きるのかという、人生哲学の領域にまで発展してしまいます。
例えば90代の患者さまがいらっしゃったとします。その方は若いころから喫煙をしていました。
その方に健康のために禁煙を勧めたら、きっとその方はこう言うでしょう。
「自分は若い時からタバコを吸ってきたんだ。放っておいてくれ」と。

一般論としては、規則正しい生活や抗酸化物質(ビタミンE、ビタミンC、βカロチン)が含まれる食事が認知機能によいとされていますし、適度な運動や生活習慣を改善することで認知症の発症を遅らせ、予防に効果があることが分かってきています。
少し乱暴な言い方をすると、基本的においしい食べ物は健康にはよくないと考えてよいでしょう。
しかし、規則正しい生活や頭や身体の運動をすることが目的になり、人生を楽しめる余裕がなくなってしまっては、本来生きるために健康でいることが、健康であるために生きるということにもなってしまいます。
そうなると本末転倒ですから、その人がどのように生きたいかという根源的な問いにもなるのではないでしょうか。



家族が気づける予備群の前兆のようなものはありますか?

生理的な老化現象による物忘れなのか、予備群の前兆なのか見極めがとても難しいものです。
その中でも、普段から接している家族の気づきが何よりも早期発見においては重要になります。
「さっき言ったことを忘れている」「何度も同じことを尋ねる」「人の名前を覚えられない」など、些細なことであっても、予備群の前兆を疑ってよいでしょう。
その際には、当院の『もの忘れ外来』で受診していただいたり、『あたまの健康チェック』を活用して電話1本で認知症の前段階(MCI)であるかを調べることも有効です。



身内が認知症と診断された場合、家族はどのような対応をすればいいのでしょうか?

認知症の介護では、患者さんご本人の人生での生き方、つまりそれまで患者さんと家族がどのように過ごしてきたのかが介護に反映される傾向があります。
患者さんと家族が良好な関係を築いてきたのであれば、家族が親身になって介護されることもありますが、ギクシャクした家族関係であれば、毎日のように喧嘩が絶えなくなってしまうこともあります。
これはケースバイケースであり、ご本人の性格にもよりますから、家族の対応の仕方で正解と言うものはなく、患者さんの数だけ家族の対応の仕方が存在するということになります。



認知症予防についての啓発活動についてご意見をお伺いさせてください。

認知症は、本人だけでなく家族の生活そのものが変わってしまいます。
ですから「年齢とともにボケるのは自然のことだ」と安易に片づけてしまうのではなく、自分自身のこと、家族のことも考えて早期予防をしてもらいたいですね。
まずは、若い人たちに認知症を理解してもらい、知識を深めてもらいたい。
そして、本当に気にしているのはもっと高齢の方たちですから、「まず検査をしよう」という行動にすぐ結びつかなくとも、より多くの人たちが認知症に対する理解を深めてもらえたらうれしいですね。

誰にでも認知症になる可能性はあるからこそ、早期発見と早期予防の大切さに気付いてもらえるよう願っています。


山田 正文(やまだ・まさふみ)
1958年、東京都生まれ。北里大学医学部卒業。慶應大学医学部麻酔学教室入局。
94年東京都千代田区に番町診療所を開設し院長就任。2008年、現在の場所に移転し、診療所名を「番町診療所表参道」として現在に至る。
医学博士、慶大医学部麻酔科非常勤講師、日本ペインクリニック学会認定専門医、日本医師会認定産業医。
医療法人社団 三二会 番町診療所表参道
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-6 表参道千代田ビル B1
電話:03-5411-7228 (直通) FAX:03-5411-6730 URL:http://www.balisc.co.jp/home/index.shtml

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